ウソ。

女の子がつくウソは可愛いのだが、大人、それも企業がつくウソは全然可愛くない。ちゅうか犯罪とちゃうんけ、サギやろそれってことが、実は世の中まかり通ってたりする。

それはソフトバンクのO円キャンペーンのことであります。

あれ、実質的には「値上げ」なんだよ。知ってた?


まず通話料0円って言うけど、「他のキャリアにかけるのは値上げ」なのよな。全然言ってないけど。

でも、これはものすごくおかしい。

電話なんてかけなきゃいけない時はかけなきゃいけないわけで、その時、相手がどこのキャリアなのかは一切わからない。

であるなら、かける相手は市場シェアに依存するので、100通話あればドコモ45、au35、ソフトバンク20とか、そういう比率になるはずである。だから「他のキャリアへの通話は値上げ」というのは、驚くなかれ、全通話のうちの8割を値上げすると言うに等しい。

で、その代わりに「二割のソフトバンク同士はタダにするから」と言ってる。

このおかしさを言い方の順序を変えて、少し強調してみればわかる。「日本国内の誰にかける場合もすべて値上げします。しかし、アメリカのバンクーバーのジョンソンさんにかける時はタダ。」と言ってるという状況を考えてみてください。

このとき「アメリカのバンクーバーのジョンソンさんへの通話0円。」と広告を打つって、完全にウソでしょ?
これは本来、「日本国内の全通話値上げ」とおわび広告を打つのがスジってものです。

全通話の8割を値上げしといて、そのくせ一切そのことにはふれず、残り二割についてだけ「0円」って言ってるだけなのだから、これはひどい

しかも、実は「夜の恋人同士の長電話も値上げ」という値上げまである。夜9時から夜中の1時まではゼロ円に制限が出て、この時間帯は月200分までが無料で、それ以上は値上げなのである。これも恋人同士の長電話を値上げして、恋愛熱の冷めてきた7分以下の通話だけゼロ円にするという巧妙なトリックなのですよ。
ほんとうにひどいのですよ。ほんまに。

それに加えて、端末の値上げまであるのよなぁ。端末0円というのは、本当に本物のウソです。
だってあれ、端末価格は24回分割にして通話料に上乗せなんだもん。定価販売であるうえに金利まで多分とってるはずだ。
人気のない機種が値下げになるという可能性すら奪っているわけだから、これも完全に値上げ。

三つの0円というのは、ようするに、全部値上げなのだ。ウソもここまで行くと目も当てられない。

だがしかし。
一番問題なのは、このウソに気付かずに「ソフトバンクは価格破壊で頑張ってる」とか、何も考えずに騙されてる奴なわけですよ。

そういう人間がどーっとソフトバンクに移って、それでシステム障害って、なんだよそれって話ですな。

で、私がここで言いたいのは、「騙されたい人がいてる」という事な訳です。

人の心は不思議なもので、こういうところで騙されたいって人がどーんと出てくる。

で、しかも、そういう騙された一群こそが時代を変えてしまったりするってことだ。悪くも悪くも。(この場合に「良くも悪くも」という言い方はない。完全によろしくないことなのでありますからね。)

しかしまぁ、本当に、ちゃんと調べてびっくりしたよ。なんだよそれってことです。なんでもかんでも0円なんて、そんなうまい話があるわけないだろうが、ってことですね。
ほんまに最低やわ。