「絶対的積極」知ってます?

えー、タイトル。知ってる人は知ってると思うので、簡単にすぐに答えを書きましょう。

それは、この人の本に出てくる言葉です。

ほんとうの心の力

ほんとうの心の力

中村天風
書店で見かけたこと、ないですか?
独自の哲学を持ち、その理念や思想を後年に残すために中村天風財団だっけ?なんかそういうのが出来ていて、講演録とか書籍とか販売してるんですね。

日清・日露戦争ではスパイとして活動してたとかあるし、出版物がPHPから出ていて、ちょっと「権力者におもねる立場=大衆を権力者側にはいつくばらせる側の人間」という感じがしないでもないんですけど、それでも、書籍を読んでると、すごくいいんです。

表題に取り上げた「絶対的積極」というのは、まぁ、よくある「積極的に生きなさい」という意味での言葉ではあるんです。

あるんですが。

この天風師の定義している「絶対的積極」というのは、あくまで「相対的積極」と対をなす考え方なんですね。

で、「よくある積極志向」というのは天風師に言わせれば、ネガティブに対するポジティブというような捉え方で、意地を張って頑張るとか、競争して勝とうとか、そういうものが多く、「そんなものは相対的積極だ」って事になる。
つまり、「なにか強気に出るという事を積極的と勘違いしてるのではないか?」とおっしゃるわけです。

絶対的積極というのは、そういうものではなくて、心に雑念や想念、妄念、恐れなどのない状態、おだやかだけど、日々明るく楽しみながら、物事にとらわれずに生きていく心持ちの事だ、というようなことを言っておられるわけです。
(くわしくは書籍等をお読みください。ここでの解説は、僕なりに理解した捉え方で文章を書いているので、多少ズレとかあると思いますし。)

これがね、いいんだ。
なんか、好き。

思うんですが、この世の奇跡とは何か? と問えば、麻原君がやってたアグラジャンプみたいな人体空中浮揚とかではなくて、「花が咲く」「人が生きている」という事だと思うんですよ。

つまり。

あなたが奇跡であり、私が奇跡なんだと。

これが基本じゃねぇ?
ねぇ?
少なくとも僕はそう思うわけで。

ちゅうような観点からするとですね。
人間は生まれながらに奇跡なのであって、それはつまり、おだやかに曇りのない心で生きていれば、それが「積極」だってことですよ。

よくあるポジティブシンキングってのも、まず、この絶対値から考えて行かないといけないって思うんですよ。

何もね、「自分じゃない何者か」に「なる」ことが積極じゃないよってことですね。

自分という奇跡に気付いて、その奇跡を生きるって事が、一番大事なんだよって事です。

そういうようなね、メッセージをね、私は天風師から感じ取ってしまうのでありますよ。

なので、この方の書籍を読むと、どれを読んでも心が落ち着くので好きなのです。

いやまぁ、最初に書いたようなことはありますからね。スパイですから。権力におもねってるところもあるのかも知らんとも警戒はしてるんですけど、それでもやっぱり、なんか好きなんだよなぁ、中村天風

基本的に日本独自の和風仏教ではなく、インドの本場の仏教を(つまりちゃんと厳しい修行をしたってこと)学んできた方ですしね。日本独特の儒教の影響も少ない気がします。

ちゅうことで、上に紹介した本を、私はまだ読み終えておりませんが、寝る前に数頁ずつ読んで寝てるのですよ。なんか心が「積極」になって眠れるからうれしいんだな、これが。

興味を持たれた方は読んでみましょう。