入って出るという作業。

あけましておめでとうございます。
新年からいそがしく、ずっとお仕事のし続けですね。

さて、「入って出るという作業」というのは何のことかと言うと結婚と離婚の話しです。


まぁ、私は結婚はせずに、その前で失敗したわけですが、似たような経験を経て、いろいろ悩みもしまして、いままであまりプライベートな話はしてこなかった人に、込み入った話を聞いてみる機会が増えたわけです。

そうすると、もう、本当に意外な人が意外な経験をしている。「えええ!」って言うのがけっこう多い。

結婚生活10年目にして別れた男に話を聞けば、すでに三ヶ月目でおかしくなっていたことがわかったり、夫婦仲が良いことで知られているデザイナーさんが実は離婚調停の真っ最中であることがわかったり「えー!!」って話ばっかりです。
そのほかにも離婚後再婚した人の話も三件ほど聞きましたし、人生が全然違った形で立体的に見えてきたわけです。

で、いろいろ聞くと、やっぱり「離婚」というのは、なかなかにスゴイ体験のようで、それを一言で言うと「入って出る」という言葉が近いように思えるのですね。

とにかくどんな事になるかわからんけど、踏み出すしかないって事はあって、それで踏み出してみたら、見えるものが全然違ってきたってことですね。
実証、検証、行動。そこから見えるものが大きいのは当然と言えば当然なんですが、思っている以上の深みとパースペクティブとがあります。

で、それは一言で言うと「入って出る」という言い方が一番近いように感じるのです。

「入って出る」という言い方をするのは、入っている時は外からどう見えるのかがわからないって事なんです。

で、出ると、その「入っていた状態」というのがだんだんと分ってくる。どうも、この半年間くらい、いろんな人に話を聞いてきたわけですが、やっぱり離婚経験者は、「入って出て」いるんですね。いろんな意味で。

なんだろう、たとえば、「分って欲しい」という思いなどは、実は別に分ってもらわなくてもかまわない事なのに、どうしても「分ってくれないからイラつく」になっていたりするわけです。

これがいざ「出て」みると、いちばん分ってなかったのは自分で、自分が分ってなかったから「分った事にして欲しい」という思いを相手にぶつけていただけなんだと気づくとかね。

本当に大切で、自分にとって良く分かっていることなら、そんなに「分って欲しい」とかの混乱もせずに普通にサラリと説明できて共有できるはずなんですよね。でも、それが共有できないというのは、まさにそのことが自己欺瞞のための「幻想」だからこそなわけです。

自分でも良く分かってない事を「共有してくれ」と言っても、そりゃぁ無理ですわね。

まぁ、これは一例にしかすぎませんが、多分、コミュニケーション不全というのは、こういう形で大きくなって行くんだろうという気がします。

だから多分、一番大切なのは「わからない」という事を、もっと大切にすることなんだろうと思います。「これが正解」と思った時に自己欺瞞のタネが発生するのでしょう。

「どうもよくわからないなぁ。」

その感覚をずっと持ち続ける事が大切で「あれがこうなって、これがこうなっているから、そうなるんだ」というような理屈付けに、あまりアグラをかかないことだろうなというのが、いまはとても大きいですね。

特に人の関係は、まず観察することから。
直接会った場合は表情や仕草、その他もろもろの雰囲気。
メールなら言葉使い。

離婚経験者と話しをしていて感じるのは、そのあたりの「わからんぞ」という、一歩引いたスタンスですねぇ。まぁ一言で言うと「世の中、想像もしていなかった事が起きる」って事です。

不測の事態って奴。それはあると。

うまく言えないんですが、それを感じますねぇ。
「それだけが正解でもなかろう」という覚めた感覚というか。

だから「入ってしまう」状態が、多分まずいんだよな、きっと。(自分に言い聞かせております。)

「入らない」事が、出ておくコツなんだと思う。

ああ、また、ものすごく抽象的な話しになってしまいました。

この「こころめくり」は不特定多数の人に向けて、僕自身が内面で感じた事を汎用的に抽象化して書くことが多いので、どうしてもそういう感じになってしまいます。

ま、あんまり抽象的すぎても意味がわからなくなるので、先日読んだ本の紹介をして、「入る」「出る」の感覚の説明という事にしておきます。

自分の小さな「箱」から脱出する方法

自分の小さな「箱」から脱出する方法

  • 作者: アービンジャーインスティチュート,金森重樹,冨永星
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2006/10/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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って本がありましてね。「箱」からいかにして出るか? って話しをしてます。心に沁みましたねぇ。けっこう良い本です。(ちょっと具体性に欠けて困るんだけど。)

この本の紹介はまたやりますが、まぁ離婚とかはようするに「出る」作業なんだよなってことです。結婚したまま「出る」事が出来れば一番いいんですがね。でも、そのためには「入らない」ようにしなくちゃいけないから難しいよなぁ。
うむー。