こころと筋肉。

石原結實(いしはら・ゆうみ)というお医者さんの本を、最近二冊ほど読んでます。

おもいッきりテレビ」とかにも出ている方なので、ご存じの人も多いのでしょう。しかし、そのあたりは僕はテレビを見ませんので、後から顔写真を見て「ありゃ、どこかで見たことのある顔だな」と思った程度だったんですが。

でも、この人、テレビに出していいの? ってくらい本の内容は過激というか、「健康常識」を逸脱しています。


逸脱してる、と言っても、まず現在の医学の状況が、あまりに西洋医学に偏りすぎていて、本来日本人がなじんでいた東洋医学や漢方の知識がなくなってきていて、それを復活させつつ、西洋的生活スタイルに疑問を投げかけている、というだけなんですけどね。

でも、実は東洋医学や漢方の理論を、そのままストレートに語ると、魔術や危ない宗教に聞こえてしまう部分もあるので、本だけを読むと「うわぁ過激やなぁ」と僕なんかは思ってしまいます。

でも、読むほどにまともなんですよねぇ。


その昔「東洋体育の本」という名著がありまして、その本で東洋の体育(からだそだてと読むような世界です。)の概要をざーっと知ったというところが私にはありますので、たとえば、石原さんの言ってることが「ああ、西式健康法を取り入れてるな」とか「医食同源の考え方やね」とか、体にすっと入ってくるのです。

なので、実に面白いと思うのだけど、石原さんはお医者さんなので、漢方やら東洋医学の考え方やらを、ある程度西洋的な科学の目でも検証してるところがおもしろいんですね。


まぁ、それはそれとして。


ともあれ、この「こころめくり」に書きたかったのは、そういう東洋と西洋を合わせた視点から、石原さんが心の問題を体の問題と結びつけて考えていて、筋肉をつけることでウツなどの心の病にも効果があると発言しているところなんですね。


石原さんの考え方は大枠は東洋医学の「血の流れ」と「冷えはよくない」に集約されると思うのですが、ようは筋肉を増やすとそれだけ毛細血管も増えるので、「もう一つの心臓」と呼ばれる下半身の筋肉=足を鍛えて、血の巡りをよくしてやれば、健康になって心も前向きになっていくというものです。


つまり筋肉をつければ、心も健康になりますよ、と言ってるわけです。


うーむ。
それは確かに言えるかも知れない。とまぁ、私としては思ってるわけで。


石原さんの言う運動というのは、基本はウォーキングで、ゆるやかな運動を勧めていて、これは石原さんとは別にいろいろ調べて「ああ、これは納得だなぁ」と感じたマフェトン理論にも近かったので、けっこう面白いと思っています。


マフェトン理論も面白いんだよなぁ。無理しない運動の重要性。そう言うことが大事なのよねって思う。


マフェトン理論、石原結實、東洋体育の本(太極拳から、ヨガ、気功、操体道、真向法などなどザザーッとなめた本。)、全部になんとはなしに共通しているのが「決して無理しない」なんですね。

理屈を優先して無理を通す、なんて事を許さない。「やれない理想」は、最初から無視して、「実際にやれる現実行動」だけを推奨してやってる感じ。そういう感覚がとっても大事で、なおかつ僕は好きなんですね。

とにかく遅筋とか赤筋とか呼ばれる筋肉を、少〜しだけ早足で歩く程度(40代で一日9000歩)のウォーキングなどの有酸素運動でしっかり強化しましょ、って言うのが、結局は心のためにも良いのだよな、とつくづく思っている今日この頃なのであります。


本当はいろいろ本の紹介をしたかったのですが、それはまた今度。
ではでは。