この人はすごいなぁ。
- 作者: 美波紀子
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2007/05
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晩ごはんダイエット―確実に痩せてリバウンドしない (幻冬舎文庫)
- 作者: 美波紀子
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2006/07/13
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で、今回、書き下ろしで、なんとその美波さんが「早起き本」を出されたので「おお!まさに!」と思って、買って読んだのです。
で、やっぱり、またまた「お、これはなかなかいいぞ」という感触ですね。すごいよなぁ、美波紀子さん。尊敬してしまう。
この二冊ともに共通してるのが、書き方が「体験レポート」になっているという事です。それも、
●まず一日目はこうでした。→失敗。
●なので二日目はこうしました。→失敗。
●うまくいかないので三日目にこうやりました。→ある面成功したけど、別問題発生!
というようなパターンで、まさに「悪戦苦闘」の過程そのものを文章にしているって事ですね。
そこに嘘がないのが良いのです。
書かれている「一日目」というのは、本当は3日だったり一週間だったり、あるいはひと月だったりするのかもしれません。でも、そういう過程をひっくるめて「一日目は…」という書き方をしている。
ダイエット本も、早起き本も、両方共に文章の流れ上は「一週間で大成功!」になってるんですが、そんなことは絶対にないと思われるのですね。
何故かというと、参考にしている本やら情報の幅がものすごく広いというのが、軽い文章表現の裏にしっかりと透けて見えるからです。
ダイエットにしても、早起き本にしても、相当に幅広い知識を得た上で、自分なりの判断を加えてわかりやすい表現に書き直しがされているんです。
「こりゃすごいな」
と、つくづく思ってしまうのです。
「わかりやすい表現に書き直しがされている」というのはどういう事かというと、知識を正しく理解した上で、それを実践し、体感した経験を通じて言い換えている、ということなんですね。
本を一冊、キチンと理解した上で読み終えるだけでも一日では無理でしょう。だから上記の失敗してはどこがダメだったのかをチェックし、「そうか、ここが失敗だったのだ。じゃぁこうしてみよう」なんてことが一日でできるわけがないのです。
なので、「一週間で大成功!」というような書き方にはなっていますし、おそらく、この本を読んだ人はみな、とても短い期間で成功感を得られるとは思うのですが、著者の美波さん自身は、そりゃもう血もにじむようなというか、失敗をモノともせずというか、涙ぐましいというか、そういう大変な努力・試行錯誤をしてる事だけはヒシヒシと伝わってくるのですね。
だからこそ、です。この本はすごい。
早起きの方は、僕も真似しはじめたばかりで実感できないんですけど、ダイエットの方は、途中まで読んで、真似ただけで相当の効果がありました。
なんちゅうかね、徹底した実践派の方なので、
●効果的な方法
と、
●失敗するポイント
しか書いてない。
そこがすごいんですね。
で、あと書いてあるのは、
●うまく行った時の快感・気持ちよさ
だけです。
この「快感」や「気持ちよさ」に徹底フォーカスしているというのがまた、出来るようで、そう簡単にはできない事なんですよねぇ。それをさらっとやってるのが、これまたすごいと思うのですよ。
美波さんの本を読んでて思うのは、「案ずるより産むが易し」という事ですね。失敗することを考えてるより、とにかくやってみようよ、というスタンスです。
で、「やりはじめには、こういう失敗をしがちなのよ。」という部分からこそ説き起こしているってことなんです。しかもそれを偉そうに言うのではなくて「私、こんな失敗しちゃいました。えへ。だめだなぁ。」って調子で書いてあるわけで。
いやー、感服いたしますな。ほんとに。
ともあれ、たいへんお勧めできる本なので、紹介しておこうと思いました。
両方共に文庫本だという事も、すごい事です。ようは安いんです。安くて内容が良いのだから、言うこと無しでしょう。このあたりもさすがは幻冬舎だよなぁって感じもするんですが、それはまた別の話。
ということで、お勧めです。